細川清映さんインタビュー

新しくできた綾ニセコ内にあるKIYOE GALLERY NISEKOを運営する細川さんご本人に、ギャラリーに対する熱意をお話いただきました

2016年12月、新しく誕生したラグジュアリーコンドミニアムホテル綾ニセコ。スキーリフトが目の前という好立地と、その館内施設の充実さでも注目を集めています。1階にはスパや温泉、レストランにジム...そして2階にはアートギャラリーを兼ね備えています。ホテル内のギャラリーとしては、申し分ない広さがあり、その静けさと、作品とじっくり向き合える空間づくり。ふ、と立ち入ってみたくなるような居心地の良い雰囲気を備えています。そう、ふ、と立ち入ってみたくなるという空間であることはアートギャラリーにとって大きなキーポイントとなるのではないでしょうか。

細川清映さん、KIYOE GALLERY NISEKOの代表にお話を伺う機会をいただきました。

細川さんご自身について教えていただいてもよろしいですか

北海道は北見の生まれで、道内の大学へ。在学中は産業経営学を学びました。学芸員の資格も取得しました。確かに大学で美術を学んだとかではないのですが、私は幼少期から絵画を習ったり、絵を描いたり、鑑賞するのがとても好きでした。絵画は、私の中でとても身近なものだったんです。それは消えることはなく、社会人になってからも、旅行する際は必ず美術館やギャラリーに足を運んだりしていました。大学を卒業してからは、証券関係の仕事もしていたのですが、やはりアートに関わりたいという想いがどこかにあり、札幌にあるギャラリーで働いたり、美術館での勤務を経て、ここ、ニセコでのギャラリーオープンにたどり着きました。

Kiyoe talks about art

国松氏のアート作品の前で語る細川さん

綾ニセコ内にギャラリーをオープンすることになったきっかけはなんだったのでしょうか

この新しいホテル綾ニセコができるときに、9人の作家さんが携わったんです。その中でも国松希根太さんという作家さんが中心となって綾ニセコ館内のアートワークに関わっていて、「一緒にやりましょう」とお話をいただきました。国松さんと私で約130点のアートワークを設置させていただきました。国松さんとお話をした際に、私はどういう風にアートに関わっていきたいのかを聞かれました。北海道の作家さんは、良い作品を作っていても、発信力が弱く、もったいないなと感じることが多かったので、そんな作品を外に向けて発信したいという想いを語ったところ、このアートギャラリーがそういう発信地になることに賛同下さり、国松さんをはじめ、多くの方の協力のもと、ギャラリーを始めることができました。

kiyoe gallery at Aya Niseko

国松希根太さんの作品

どのように展示内容を決められるのですか?

現在展示されているのは、先ほど言った綾ニセコに関わられた9人の作家さんのうちの7人の作品を展示しています。この7人の作家さんの作品は、客室だったり、廊下だったり、館内の様々な場所で目にすることができます。この初回展示は2月末までを予定しています。今後は、ニセコの移り変わる客様の層なども意識しつつ、できるだけ北海道にゆかりのある作家さんの作品を紹介していきたいと思っているのですが、やはりお客様を楽しませたいと思えば、道外の作家さんともどう構成していくかが課題だと思っています。いずれにせよKIYOE GALLERY NISEKOは貸しギャラリーではないので、作品はちゃんと質を保ちながら、紹介していきたいと思っています。

AYA Niseko Opening Exhibition (13Dec 2016 - 28 Feb 2017)

Artists: Kineta Kunimatsu

Sachiko Kunimatsu

Season Lao

Yuhi Kazama

Rikiya Oizumi

Harumi Kodama

Midori Imazu

Kiyoe Gallery Current Exhibition

ギャラリー内

好きなアーティストを一人挙げてください、また作品のどこを重要視しますか?

日本画の要素も含みつつ、繊細で、それでいて今のアニメぽくも見えなくもない、藤田嗣治さんです。彼の作品は今見てもとても新鮮に見えます。当時は印象派などの写実的な絵画が主流だった日本の芸術の風潮があり、彼はそれに失望し、理解を得られずとも、自分の心の赴くままに生き、生産し続けるそのぶれない芸術への情熱による作品だからでしょうか。どの時代でも、その時代に沿わない人たちは奇才や天才と呼ばれることが多いですよね。

作品で言えばシャガールも好きです。王道ですが・・・。

作品を見るときはまず、見た目の色とかインスピレーション、目から飛び込むものをキャッチします。全体を見た後、やっぱり気になるなという作品に戻ります。そこでもう一度じっくり見てから、キャプションを見ます。作家の伝えたい想いやタイトルから入るのではなく、目から飛び込む色彩とフィーリングでまずは「感じる」ところから作品を見ます。

Kiyoe Gallery Current Exhibition

作品としっかりと向き合える落ち着いた空間

今後KIYOE GALLERY NISEKOはどのような方向に向かっていくのでしょうか

先ほどお話したことと重なってしまいますが、基本的には北海道に関係のある作家さんを世界に発信していきたいなという想いはあるものの、道外だといって取り入れないとかではなく、例えば海外のお客様から見たら、道内作家の作品も道外作家による作品も同じように映ると思うんです。なので、どちらの作品も含めた構成をしていき、おもしろいな、と思われる作品をどんどん紹介していきたい、情報発信基地のような場所でありたいと考えています。

interviewing with kiyoe

ギャラリー内でのインタビュー風景

ギャラリーを運営するうえでの醍醐味を教えてください

まだオープンして日が浅いですが、すでにたくさんのお客様にお越しいただいています。ニセコならではの客層、というのが本当にユニークで楽しいです。日本人はまだアートに対する理解が乏しく、例えば作品購入なども躊躇しがちです。まだまだアートに対する敷居が高いのに対して、海外の方は意外ともっと身近にアートを感じていると私は思います。その部分を見れるのがとても楽しいです。ニセコは特に冬場は国際リゾート地なので、現代アートなども勧めやすく、運営していくうえでも楽しめる部分ではあると思っています。

ニセコのアートシーンをどう見ていらっしゃいますか

まだ来たばかりでよくは見えていないですが、ニセコのアートはもっと活発化していくポテンシャルを秘めていると思います。どこかでアートは必要とされているんじゃないかと感じています。ただ、日本人が考えているアートと旅行者の捉えるアートには温度差を感じます。旅行者にとってのアートとは、例えば北海道の風景や雪、日本ぽい和紙、北海道ぽさなど、また、作品を見たときに、その時間を思い出したり、”思い出”となる何かが関わってきます。もちろん、万人に対して受け入れられるものをだけを展示することは難しいのですが、何かでギャップを埋めていくことは私の課題の一つだと感じています。

Manager of Kiyoe gallery

Kiyoe Gallery代表:細川清映さん

今後の目標、また達成したい夢はありますか

十分な展示スペースのあるギャラリーはこのエリアにはあまりないので、いい作品をきっちりと見せていくギャラリーでありたいと思っています。ごちゃごちゃせずに、すっきりと、作品と対話できるような、そんなギャラリーづくりをしたいと思っています。次の展示の準備に追われたり、なかなか余裕が持てない毎日ですが、おもしろい作品を紹介している場所として、在れたらと思います。また、地域とのコラボレーションなど、積極的にニセコのシーンも盛り上げる担い手になれればと思っています。

次回展示について

次回は3月5日~5月7日までの陶芸作品の展示を企画しています。普段なかなか目にすることができない作品もお楽しみいただけたらと思っています。人間国宝の今泉今右衛門氏や加藤委氏、谷本景氏、他道内作家の下沢敏也氏なども展示予定です。詳細は、随時HPでもお知らせします。

細川さん、ありがとうございました。

Kiyoe Gallery

044-0081 倶知安町字山田195-1綾ニセコ内2階

www.kiyoegallery.com