バーベキューを最大限に楽しむために

素材をもっと活かす知識をアウトドアBBQの達人、榊氏に聞いてみました

暖かくなってくるころ、待ってましたとばかりに庭先やガレージでBBQのおいしそうな香りとにぎやかな声が聞こえてきます。ここニセコでは、雪解け後の大型連休にはよく見かける光景となりました。10月の肌寒く、羊蹄山のてっぺんに雪が降るころまで、この光景は続きます。

もちろん、網焼きのおいしさと同時に、親しい仲間や家族とワイワイ外で食べれる楽しさが味わえるのがBBQの醍醐味。でも、実際にBBQをするときに、何をどうしたら素材をもっと活かせるか、考えたことってありますか?

実は、素材は、ただ網に乗せて焼けばいいってものでもないんです。アウトドアバーベキューの達人、JAPAN BBQ COLLEGE代表の榊氏に、もっと美味しく、もっと楽しめるBBQのヒントを聞いてみました。

Camp site summer pixabay stock image

お肉は冷凍していった方がいい?

まず、お肉を焼くときには常温で、が基本です。夏場は冷蔵の食材は保管が難しくなるので必ず保冷剤を入れたクーラーで持ち歩くことが必要になります。それでも焼くときには常温に戻すように心がけるだけでお肉のジューシーさに大きな変化が出ますよ。

お肉の下味や漬け込みって必要?

漬け込みの目的はまず、お肉を柔らかくすることとお肉の臭みを消すことです。お肉の部位によっては漬け込みが不向きなものもあり、基本的に日本に流通しているお肉はほとんど臭みがありません。気になる場合はハーブやスパイスで好みの香りをつけるくらいがいいと思います。

柔らかくしたい場合の漬け込みには、たんぱく質分解酵素のある野菜や果物、(パイナップルやメロン、大根など)をペースト状にして漬け込むといいのですが、塩加減には注意してください。塩分は肉の水分を排出し、ぱさぱさの触感になってしまう恐れがあるので、お好みの塩分にしたいときには焼く前に塩を振って調整するのがベストです。くれぐれも和牛には漬け込みをしないように。酸味が残って美味しさが半減してしまいます。

美味しい焼き方ってある?

じつは多くの人が勘違いしているこの「焼く」という工程ですが・・・。炭火での焼き方は、炭から火が上がってくる状態でジュージュー焼くものではありません。炭火は炭の炎が落ち着き、オレンジ色に輝いてきた時が焼き始めの合図なんです。決して炎で焼かないように。炎で焼くのは=燃やす、だと覚えておくと良いでしょう。また炭火の場合は基本的に、焼いてから切る、を心がけてください。切れば切るほど水分が抜けて美味しさが逃げていってしまうので、塊肉や厚切り肉などは焼いた後に切って食べるのがポイントです。

charcoal coals barbecue pixabay stock image

お肉以外のおススメの食材は?

魚の場合は生魚よりも一夜干しや干魚のほうが美味しさが凝縮されていてBBQには適しています。鮮度の良いお野菜はみずみずしいので水分が多く、焼きやすくてとても美味しく仕上がります。長いも、玉ねぎ、トウモロコシなどは丸焼きに適していますよ。

レンタルBBQセット以外にあれば重宝するものって?

軍手もいいですが、やけど防止には皮手袋です。手を洗わなくて済む使い捨てのラバーグローブやプラスチック手袋も便利です。食材の保管にはクーラーボックス、またスパイスや調味料は現地で購入すると意外に高くついてしまうので、必要な分だけお好みで持ってくるといいと思います。丸焼きや余った食材を包むのに必須のアルミホイルとウェットティッシュは重宝します。

grilled steak on a bbq barbecue pixabay stock image

アウトドアバーベキューをもっと楽しむために一言

BBQは情景食、だと思います。その土地で育った食材をその土地で食すから美味しいということを踏まえれば、ニセコのロケーションに合った「ニセコスタイル」のBBQを楽しんでほしいと思います。周りへの気遣い、配慮、ゴミのマナーもお忘れなく。

お話:

榊幸治氏

BBQライフ研究家。JAPAN BBQ COLLEGE(ジャパンBBQカレッジ)代表。本格派BBQからカジュアルBBQまでBBQ文化を幅広く発信するBBQスペシャリスト。