「ニセコ留学」全国の若者がニセコエリアで就業体験

「英語を学びたい」「地方創生に関わりたい」そんな優秀な若者たちがニセコでインターンシップを体験!それぞれがニセコでしかできない体験を通し、一回りも二回りも成長していました。

その他の動画はこちら

ニセコ留学

ニセコエリアが含まれる後志(しりべし)管内はスキー・スノボの聖地。リフト輸送人員数では、実に日本全国スキー場のおよそ3分の1を占め、とりわけ冬のニセコエリアに降る世界屈指のパウダースノーが世界中から大量の観光客を惹き寄せる。

今年、ニセコエリアの倶知安町(くっちゃんちょう)が世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」の日本への観光客が選ぶベストデスティネーション部門2017で東京、京都に次ぐ堂々の3位を獲得。また、倶知安町の地価上昇率は3年連続で全国1位を記録するなど観光地としての開発が進み、街を歩くと日本にいる心地がしないほど西洋風の建物がところ狭しと並び、道は外国人で溢れかえっている。順調に成功を収めているように見えるが、一方で増え続ける観光客に対しリゾート側は慢性的な人手不足に悩まされている。

本年度より総務省が始めたプロジェクト「ふるさとワーキングホリデー」は、都市で暮らす若い人たちを地方に送り出して現地で就労してもらうという企画だ。「ニセコ留学」は若い人をニセコに呼び込むことで人手不足の解消と若者の育成による地域活性化をねらい、また、若い人には外国人の溢れる発展途中のニセコで「人生が360度変わる」経験をしてもらおうと、この「ふるさとワーキングホリデー」の一環として北海道庁が企画した。そして初年度となった2017年1月~3月の間には首都圏の大学生を中心に38名がキロロスキーリゾート・留寿都スキーリゾートを含むニセコエリアで就業経験を積んだ。

現在、北海道テレビをはじめ様々なメディアに取り上げられている「ニセコ留学」。エクスペリエンスニセコは、都会を離れ冬のニセコで働く学生たちに「ニセコ留学」についてインタビューをした。

Niseko Ryugaku

ニセコ留学最終報告会の様子(第一会館にて)

①山下藍奈(筑波大学4年)

Ranna

HTM.K.Kで働く山下さん。時間があればスキーに出かけていたそう。

就職前のステップアップ

東京都出身の山下さんはホテルや多くのゲストハウスを管理しスキースクールも運営するHTM.KKのマーケティング部で勤務。彼女の働くオフィスでは従業員の8割が外国人。社内で英語を使うのが基本だが、過去に長期留学を経験しているため英語を使うことに抵抗はなかったそう。そんな彼女は現在4年生。今年の4月から都内のテレビ局への就職が決まっている。

「ニセコは海外からのお客さんがほとんどと聞いて、4月からの就職前に英語を使いながら仕事ができるいい機会だと思いました。更に海外から注目される美しい景色、パウダースノーとおいしい食材を楽しみながら長く滞在できるのは非常に魅力的。ニセコを満喫しながら英語を鍛えられるなんて最高です。」

「実際に仕事以外では、職場がスキー場の目の前だったのでかなりの頻度でスキーに行ったのはもちろん、スノーシューを履いて森の中を探検してみたり、バックカントリーを滑ったり、冬季アジア札幌大会を観戦したりなど、北海道でしかできないことをたくさん経験できて、毎日が本当に充実していました。」

英語を使える日本人は重宝される

週5日、社員と同じ時間のフルタイム出勤。仕事は主にニセコのPRブログの執筆、英語記事の翻訳、イベントの手伝いなどで、堪能な英語を活かして業務をこなしていた山下さん。日本人のスタッフが少ないため、英語を話せる日本人はかなり重宝されたという。日本人スタッフ不足はニセコならではの問題だろう。

「英語を話せるだけで翻訳業務やイベントの手伝いなど日本語と英語を活用できる様々な業務が回ってきました。そのなかで学べだことは、英語と日本語のブログを書く上でテーマが同じでもターゲットである国によって書き方や戦略が大きく変わってくること。このようなことを知ってるということは今後の仕事にも必ず活きてくると思います。」

ニセコは海外英語留学の登竜門

観光客の大多数が外国人のうえ従業員も外国人が多数を占めるニセコ。海外留学を考えているけど、治安や文化の違いが不安で一歩踏み出せない、でも生の英語に触れて英語を向上させたいという人にとってピッタリの場所だという。

「どうしても海外に一歩踏み出せないという人はニセコが最初のステップとしてちょうどいいでしょう。こんなに英語漬けになるのにここは日本だという安心感が強く、変に緊張しなくて済みます。ニセコはスキーや観光を楽しみながら英語を鍛えられ、就労経験も積めるという絶好の環境です。ニセコにもっともっとたくさんの人に来てもらいたい。」

②佐藤亜海(法政大学2年)

Satou

MnKで働く佐藤さん(左)

なにも期待していなかったニセコ留学

「正直にいうと、ただ北海道の美味しいものをたくさん食べれて、お金を稼げればそれだけでよかったんです。それ以外のことには本当になにも期待していませんでした(笑)」

そう話すのは法政大学グローバル教養学部に所属する佐藤さん。ほとんどの授業が英語で開講されている学部で、主にジャーナリズムを学んでいる。高校生のときに10ヶ月のオーストラリア留学を経験しており、英語を活かせる仕事には興味があったそう。ニセコ留学では土地を管理・運用しているMnKで様々な業務を経験していたが、当初ニセコ留学に対して何も期待していなかったそう。

「時間のある春休みを活用して、行きたかった北海道に行けてお金も稼げる、それだけを考えて来ていました。しかし、現実は働いてるうちにたくさん壁があったし、終わってみると自分の考え方が変わるほど充実していました。」

立ちはだかる壁と得たもの

「業務は本当にいろいろなことをやらせてくれました。コンシェルジュとして部屋のチェック、土地管理の書類の整理、注意書きの日英翻訳やMnKのプロモーションなどなど。従業員がほとんど外人だったのでずっと英語漬けの日々でした。しかし、私と同時にインターンをはじめたオーストラリア人がかなりの早口英語のうえバリバリのオーストラリアアクセント。そしてその人の英語ペースに合わせる他のスタッフたち。英語には自信があったのに、なかなかついていけずに大変な思いをしました。」

「そんな業務の中でも、いろいろな人と会えたことが自分の価値観を変えました。日本一周したひと、世界一周したひとなど、ニセコにやってくる様々な価値観や経験を持っている人と出会うことができ、こんな生き方もあるんだ、って言うことを教えてくれました。業務では上司に言われた“常にコンサルタントになった気持ちで行動しろ”という言葉が胸に残っています。」

またここに戻ってきたい

「ニセコが好きです。外国人も多く多種多様な街なのに、しっかりルールがあってお互いに尊重しあっている感じがします。そんな場所は日本を探してもなかなかなく、貴重な機会になります。どんどん色んな人に来てほしい。」

東京にいては得られなかった経験をした佐藤さん。社長から夏休みにも是非戻ってきてほしいと言われ、この夏にもまた戻ってくるかもしれないとのこと。佐藤さんのニセコ生活はまだ始まったばかり。

③金子直毅(東洋大学2年)

Kaneko

ヒルトンニセコビレッジで働く金子くん(右から二番目)

突きつけられた現実

「自分は周りと比べて行動力のある方だと思っていました。だけど、ニセコに来て仕事にもまれ気づいたことは、ほんとは全然行動に移せていないということ。ニセコ留学でその驕りに近かった思いが打ち砕かれました。」

東洋大学でホスピタリティを学ぶ2年生。高校時代からホテルマンに憧れ、大学1年時にも都内のホテルでホテルマンとしてバイトを経験している。まだまだホテルで働きたいという思いと、苦手な英語を伸ばしたいという思いでニセコ留学に参加した。就労先は、言わずと知れたホテルの大手・ヒルトンだった。

「国際都市と聞いていたニセコで、ヒルトンで働けて、スノボもできて、地方創生に関われて、英語も学べる。そんなポジティブなイメージで参加を決めました。担当したのはヒルトンのホテル内にあるビュッフェ。オープンする前の準備や料理の提供が主な業務でした。ヒルトンに来るお客様のほとんどが外国人で、レストランのお客様ももちろん外国人。そんなグローバルな環境だったのですが、担当したレストランがビュッフェだったため、そういったお客様と関わる機会はそれほど多くありませんでした。」

明かりを灯すのは自分

「仕事上で大きな壁があったわけではありませんでしたが、ピーク時はかなり忙しかったです。その中で、ニセコ留学をより充実させるには何ができるか常に考えることが重要だと気が付きました。この留学生活で明かりを灯すのは自分のひらめきなんだと。まず、より外国人と関わる機会を求めて日本人の多かった寮をでて、外国人の多い寮に移りました。そこでは実際に外国人の友だちを作ることができました。また、仕事上ではお客様の行動などから日本との文化の違いを楽しむようにしていました。」

「それでも、もっともっと自分でできたなと後悔しています。例えば、外国人が集まるバーに行って積極的に声をかけてみたり、レストランにやってくるお客さんと談笑してみたり。しようと思えばいくらでもできたのに行動できなかった、そこに後悔が残っています。逆に言えば、自分の欠点を知ることができたいい機会になりました。」

新しい世界に踏み出すからこそ成長できる

仕事だけでなく、仕事以外でも出来る限りニセコでの日々を充実させようとしていた金子くん。このニセコ留学を通して得るものはたくさんあったと語った。機会があれば他の人にもニセコ留学に参加するようオススメしたいという。

「英語があまり話せないっていう人ほどニセコに来てほしい。サッカーの本田圭佑選手の言葉を借りれば、"泳げない人は無理やり水につけるともがいて泳げるようになる"。それと同じで、英語も話さなければいけない環境に身を置けば必ず成長できます。勇気を持って自分の知らない世界に一歩踏み出してほしい。機会があれば自分もまたニセコに戻ってきたいです。」

ニセコ留学写真ギャラリー

ニセコ留学をもっと見る

ニセコ留学Facebookページ ⇒ https://www.facebook.com/niseko.abroad/?fref=ts
ふるさとワーキングホリデー ⇒ http://www.soumu.go.jp/furusato-workingholiday/
他の動画(けいざいナビ) ⇒ http://www.experienceniseko.com/ja/news/furusato-w...

Niseko Ryugaku Poster