ニセコバックカントリースキートリップ記録:2021年1月羊蹄山

今年初のハイクでは予想外の晴天と眺望に恵まれました。

今年初となるバックカントリートリップは、ニセコエリアのアイコン的存在、羊蹄山。日本百名山というタイトルを持ち、いくつかのアプローチ(登山のコース)があって道内屈指の人気者である。今回は羊蹄山の南側にある真狩自然公園のキャンプ場からの定番ルートを選択し、午後から天気が崩れる予報の為標高1300mくらいまで登る計画。標高1898mの羊蹄山、ルートによるが山頂までの標高差は大体1500mで2/3くらいとなる1300~1500mくらいまでが風の影響なども受けづらく雪のコンディションもいい為、厳冬期には山頂には挑まずここまで登るケースが多い。

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登山口から望む羊蹄山南斜面。

どんよりとした曇りで始まったが、森を抜け下界の平野が見渡せるようになった頃には雲は晴れ、見上げれば青空が覗き始めた。12月に入ってから降り止まなかった雪と気温の低さから、木の枝にもこんもりと雪が積もったままで青空とのコントラストが美しく、まさにザ北海道の冬景色となっていた。

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山の麓はパーフェクトなツリーランエリアが広がっている。

標高が高くなるにつれ、南側の景色が開けてくる。下を見下ろせば山を囲む森、裾野の田畑や農園、森林がまるでパッチワークのように広がり、遠方には洞爺湖や冬の太平洋には冬の太陽の光を受けて輝いている。

今シーズンはインバウンドが少ないとはいえ、地元民はもちろん全国からのバックカントリースキーヤーとスノーボーダーが集まる羊蹄山。今回も私たちの他に4~5グループを見かけた。

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2~3時間登るだけでこの景色がみられるのも羊蹄山の人気の秘訣。

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尻別岳を背景に隣の神社の沢ルートから登ってきたスキーヤーたち。

積雪量が多いおかげでスムーズに登り続けて、2時間強で1300m地点にたどり着いた。ずっと太陽が出ていたせいで雪が湿って重くなってきた。せっかくの冬のど真ん中の青空、このまま山頂まで行っちゃおうか、と思ったがこれ以上重い雪になると、安全に、楽しくは滑れないと判断し、予定通り下山することにした。

既に何人か滑り下りた最初の斜面は比較的に狭い為複数のトレースが残っている。それでもよく走る雪で気持ちよく滑ることができた。少し下がっていくと滑れるところも増えてきて、貸し切りのツリーランを楽しめた。森の中は日陰の為軽い雪質で夢中になって滑る。そして気が付いたら斜面が緩み登山口まで戻ってきていた。雪に覆われたキャンプ場を滑り抜けて駐車場に到着、後ろを向くとそこには青空の下くっきりとした羊蹄山の姿がそびえていた。

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森の中は軽いパウダーのパラダイス。

真狩村名物の豚丼を食べ終わり、真狩温泉で湯浴みの頃には、空は灰色に濁り、風が強くなってきていた。このまま羊蹄山も厚い雪雲に覆われ、しばらくは姿を見せてくれないのだろう。

羊蹄山を登るというと青い空の中山頂まで登り、お鉢の中を滑るというイメージが多いと思うがそれを実現できるコンディションに恵まれるのは極めて少ない。しかし山頂にこだわらないなら好きなだけ登っても十分いい景色と素晴らしい滑りを楽しむことができる。それぞれのペースで楽しめる、誰でもウエルカムな山。多くの人に人気なのは当然かもしれない。

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