白小豆って聞いたことある?

栽培がとっても大変な、珍しい白小豆を生産されている京極町の農家さんを訪ねました

小豆(あずき)と聞けば、赤い小豆を想像される方が多いと思います。実際に国内で生産されているそのほとんどは赤い小豆です。「あずきいろ」と聞けばやっぱり渋い赤ですから。

でも実際には白や薄緑色などの小豆も存在するのをご存知ですか。白い小豆の特色としては、食物繊維が多く、渋みのある赤のポリフェノール含量に比べ、白小豆は含量ゼロ、そのため甘みがあります。

一般的に和菓子屋さんなどで「白あん」と呼ばれるものは、代わりに「手亡」(てぼう)が使用されていることが多いです。いうならば白いインゲン豆です。手亡の白あんはさっぱりとしていて、白小豆に比べると少し風味が劣ります。一方、白小豆は小豆の風味がしっかりと感じられる白あんことなります。両方を混ぜて使用している和菓子屋さんもあります。

基本的に、6月ごろ~7月に種を植え、収穫は10月終わりごろ。栽培が非常に難しいため、限られた生産量、そして作付面積も非常に少なく、そのため安定供給が困難で価格の変動が激しいのです。高級な和菓子屋さんなどでは珍重され、高値で取引されます。

高木農園

そんな希少で栽培が難しい白小豆を栽培している農家さんが、羊蹄山麓にもありました。京極町にある髙木農園さんです。髙木農園さんでは、広大な敷地に、にんじん、じゃがいも、小麦をはじめ、きたろまんという品種の赤い小豆、きたほたるという白小豆などの作物を栽培されています。

お邪魔した時には、ちょうどにんじんが収穫時でした。小麦は黄金色に穂をつけ、さわさわと揺れていました。

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広大な人参畑(髙木農園)

白小豆を作るにあたって、何が一番大変なのか。

「デリケートな点と収穫が大変」

迷いなく答えてくれたのは、髙木農園の智美さん。白小豆の収穫には人手を要し、機械で収穫できないために手積み収穫となり、仕上げ乾燥が必要です。それも手作業になります。気温の変化にも非常に敏感です。時間と人の手を存分にかけて育てられ出来上がった白小豆。約3畝の畑から昨年は一俵半、約90kgが収穫されたようです。

そんなに手間のかかる白小豆をなぜ、作ろうとしたのか。その答えはとてもシンプルなものでした。

「十勝で栽培されている白小豆を一度食べてみたときに、あまりのおいしさに、自分でも作ってみたい、と思った」

栽培されている生産者さんご本人が、「おいしい!」と感じたものを作り、それを提供する。その答えがすべてを語っています。

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種上からパッケージングまですべて手作業

白小豆の主な加工方法としては、ミルクジャムや、白あん、また羊羹など、主にお菓子の原材料として使われることが多いです。髙木農園さんでは、原材料のみの販売をしていますので、消費者の皆さまが様々な使い方をすることができます。こだわりの和菓子に、また毎日の食卓に、なかなか市場に出ないこの貴重な白小豆を使ってレパートリーを増やしてみるのも楽しいのではないでしょうか。

髙木さんでは、白小豆畑の約7倍の広大な土地にきたろまんという小豆も栽培されています。赤い小豆「きたろまん」と白い小豆「きたほたる」紅白小豆の詰め合わせは、お祝いの席にも最適です。

10月~11月の収穫の時期にまた訪れて、その収穫の様子を見させていただきたいと思います。

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少量からの小売りにも対応されています。どんな味なのかトライしてみたいという一般の方から、お店の料理やお菓子に使ってみたいというプロの方まで、まずは一度お試しください。

生産量が少ないため市場に出回りません。ご興味のあるかたは直接髙木農園さんまでお問い合わせを。(メールのみ)尚、平成28年産の白小豆は11月中旬から販売開始だそうです。


髙木農園

北海道虻田郡京極町字三崎338-23

メール:[email protected]

https://www.facebook.com/takagi.farm1935/