あなたの為展、書道のワークショップ

ダイナミックな先生の書の展示が見守る中、一般に向けた書のワークショップが開催されました

激しい雨が降る6月10日、荒野洋子先生による、書のワークショップが開催されました。心を沈めて、書に向き合うにはとても良い静かな環境でした。

一般の方も参加できるこのイベントでは、荒野先生の実際のアトリエを模して作られており、参加者が先生に手ほどきを受けながら、書に親しめるようになっています。

この度の参加者は、日本人の子供、また外国人の、初めて「書道」を体験する人の割合が多かったです。

小学校3年生は、ちょうど書道の授業が始まるころで、学校ではまだ「ひらがな」しか書いたことがなかったため、先生によって、シンプルでいながらも、しっかりと「留め」が織り込まれている漢数字の「二と三」を練習に勧めておられました。

筆に墨を浸し、背筋を伸ばして半紙に筆を落とす。一文字書くのに、これほど意識を込める書道というのは、いわば自分と向き合う時間です。先生の書かれる文字には、同じ半紙、同じ筆を使用しているなんて信じられないほど、滑らかに、そして迷いなく、バランスのとれた文字が完成されます。

参加者皆さんからは、先生のお手本の際の、そのすらすらと、そしてしっかりと墨を含んだ豊かな文字を見るたびに感嘆の声が聞かれました。

Calligraphy Workshop At Kiyoe Gallery 8

初心者には、まずは先生が手取り足取り、一緒に筆をもって、書いてくれます。どのように筆を落とし、留めはどのくらい力を籠めるのか、跳ねや払いの書き方など、一文字に気持ちを込めて仕上げます。

何度も試し書きをした後、さいごに清書として色紙に練習の成果を込めて書きあげます。

私たち日本人にとって、書道は学校でも習う身近なものですが、実際に取り組んでみると、そのブランク期間から、思うように筆が動かなかったりします。思い描いている文字の均等さに近づけないのです。集中が途切れて、文字がいびつになったり、2文字の大きさがまちまちになってしまったり・・・

理想の文字を頭で描きながら、白い紙に筆を走らせる行為は、どこか、クリエイティブで、そして己の癖や性格が反映されているように感じ、「道」のつくものにはすべて、奥深さと極めの到達には時間と努力が必要なのだと感じました。

心を静める練習にもなる、書。荒野先生は、倶知安町内で、元気に、子供から大人まで、書道のお教室をされてるそうです。大人は今もう一度、自分と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

荒野洋子先生の「あなたの為」展は、綾ニセコ内2FKIYOE GALLERYにて、今も展示されています。会期は2017年7月9日まで。

活力みなぎる先生の「為」の文字をご堪能ください。

Yoko Arano Kiyoe Gallery