ドライブで羊蹄山をもっと満喫

羊蹄山は見る角度によってその姿が違うのをご存知ですか?それぞれの方角から見たベストショットをおすそ分けします。

遠くから見ると、羊蹄山は蝦夷富士と呼ばれるほど、その端正な姿として知られていますが、実は羊蹄山は近くで眺めると、角度によってその形はずいぶんと違うのです。夏、ニセコエリアでドライブを楽しまれるなら、ぜひ、羊蹄山麓をぐるっと一周して、それぞれのビューポイントから美しさの違いを楽しんでみてください。

地元の方は、それぞれの写真がどの町からの風景か、当ててみてくださいね。

北側の羊蹄山

North Face Of Yotei Low Res

羊蹄山は円錐形の成層火山です。日本各地にある「郷土富士」の一つとして知られています。こちらは北側から見た羊蹄山です。末広がりで美しいです。羊蹄山は標高1898メートルとされ、道内でも最も南の高山帯を持っている山でもあります。それ故、希少な昆虫や高山植物などの生態が営まれています。その中でも氷河期の生き残りともいわれる昆虫「ダイセツオサムシ」は雪山の高山帯だけに生息する希少な昆虫のひとつです。厳しい寒さの中、何万年も生き抜いてきたのですね。

東側の羊蹄山

East Face Of Yotei Low Res

最も均整の取れた形として知られている東側の羊蹄山。一番富士に近い形と言えるかもしれません。先住民であるアイヌの人たちは、羊蹄山のことを、「マチネシリ」と呼んでいました。これは「女山」という意味があり、対となる尻別岳は、ごつごつとした山肌をしており、「ピンネシリ=男山」と呼んでいたそうです。2つの山が見られる喜茂別町で見比べてみると、なるほど、と納得させられるので、ぜひ、喜茂別町から二つの山を眺めてみてください。

南側の羊蹄山

South Face Of Yotei Low Res

南側から見る羊蹄山は、他の角度と大きく異なります。左側の肩が膨れたような形をしています。全3度の噴火があったようですが、1度目の噴火で大部分は形成されたようですが、その後の2度の噴火により、特に西側に向かって大量の溶岩を噴出したためだそうです。同じ羊蹄山麓でも、それぞれの場所から眺める羊蹄山の形はどれも違います。地元の人々は皆、見慣れた自分の町から見える羊蹄山の形が一番美しいと誇りを持っています。

西側の羊蹄山

West Face Of Yotei Low Res

西側から見た羊蹄山。ほんの少しですが、てっぺんが猫耳みたいになっているのがわかりますか。よく、羊蹄登山をされる方は熊の心配をされますが、基本的には、羊蹄山麓周辺は繁殖区域に指定はされていません。最近ではコースによっては熊の目撃情報や糞が確認されていることもあり、十分に注意することが大切です。

羊蹄山麓を倶知安町からぐるりと一周すると、倶知安町⇒京極町⇒喜茂別町⇒留寿都村⇒真狩村⇒ニセコ町、と6町村をまたげます。また、各地に羊蹄ビューポイントがあるので、車を停めて、記念撮影もできるようになっています。ぐるっと周っても60kmほど。1時間強あれば、周れます。夏はドライブもいいですが、サイクリングで一周する方も多いです。のどかな北海道の風景と共に様々な形の羊蹄山を楽しんでくださいね。